25.Sinta Obong
シント火に入る

 このラコンはラコン・パクムで、ラマヤナ演目群の一つである。ロモウィジョヨとその配下がアルンコ王国の軍を破り、プラブ・ドソムコを滅ぼすことに成功した後のことが物語られる。アルンコが敗北した後、デウィ・シントは解放され、ロモはアヨディヨに帰還した。
ロモがアヨディヨの王となって しばらくしてから、彼はアヨディヨの民がデウィ・シントの純潔に疑いを持っているという噂を耳にした。というのも、そのロモの妻が12年もの長きにわたりプラブ・ドソムコの元にあったからである。
 火が燃え上がった時、バトロ・アグニはシントの身体と衣服を守り、炎になめられても焼かれることはなかった。
 このラコンはまた、醜い猿の容貌を嘆く老猿ジュムバワンのことも物語る。苦行の後、バトロ・ナロドが彼に会いに来て、猿の姿となることは彼の運命であったと語った。神はカピ・ジュムバワンに高貴な階級の子孫を与えることを承認した。バトロ・ナロドはかくてジュムバワンの姿をラクスマナの偽物に変え、アルンコのデウィ・トリジョトに会うようにとの命を下した。
 デウィ・トリジョトは贋のラクスマナを好意をもって迎えた。というのも彼女はひそかにラクスマナを恋していたからである。彼らの間に愛の行為があった。
 この結果がロモに知らされた時、すぐさま真のラクスマナは、贋のラクスマナに会うことを命じられた。本物と贋者のあいだで一騎打ちが起こり、その時贋者はジュムバワンの姿に戻った。
 ロモはかくてジュムバワンにデウィ・トリジョトの夫となるよう伝え、それ故まさに彼らは夫婦となった。
 このラコンはあまり著名ではない。

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