| ブンゴロ(ベンガラ)国あるいはスウェラルジョ国のプラブ・スマルシは二人の娘をもっていた。各々の名はデウィ・ケカイとデウィ・スミトロワティといった。プラブ・スマルシはまた長兄に、ルシ・コロの名を持つ超能力の息子も持っていた。 二人の娘が大人になった時、結婚を申込に来る王たちが大勢いた。誰が選ばれるべきかを悩んだので、ルシ・コロはかくて彼の妹たちにサユムボロ(婿選びの儀)を行うことを命じた。ルシ・コロを負かしえた者は誰であろうとスウェロルジョの王の二人の娘を妻にし得ることを承認される。 十人以上の勇気ある王たちがルシ・コロに挑んだが、一人としてその超能力の苦行者を負かすことに成功しなかった。最後にプラブ・ドソムコの弟クムボカルノが到来し、その二人の美しい娘との結婚を望んだ。彼はその兄、プラブ・ドソムコの命によりそのサユムボロにやって来たのだった。 他の求婚者たちと同様、クムボカルノもまたルシ・コロに相対した。あきらかに二人の超能力は拮抗していた。彼らの一騎打ちは数日におよび、超能力は衝突し、今やクムボカルノが敗れ去るにいたった。満身創痍となりクムビカルノはアルンコへ帰還した。 最後にルシ・コロはアオディヨ国王ドソロトによって負かされた。とはいえ、その二人の娘との結婚の前に、デウィ・ケカイはもし後日息子が生まれたなら、ドソロトは息子を王位に即けなければならないという追加条件を求めた。 このラコンはパクムに属すが、あまり一般的ではなく、上演は稀である。 |