敵勢力についての知らせを受けたロモはただちにアルンコ攻撃の命令を下した。とはいえ困難があった。というのも海の対岸に渡る必要があったからであり、それ故彼はスグリウォとアノマンに堤防を築くことを命じた。 マリアワンの幕舎にある木の杭や石を取るために猿の兵たちが徴集されたが、困難だった。エンダン・スワレとスワレの息子、バムバン・スウェドに選ばれた黒い猿の一群が困難とはいえそれを克服し、かくて堤防作りの手助けを有利にした。 堤防が架かった後、突然木の杭が流されるほどの大波に襲われた。このことはロモを怒らせ、彼は海にスウォロ・グニの矢を放ち、その時水が蒸発してしまった。 すぐさまサン・ヤン・バルノが姿を現し、もしロモが大海の生き物が死に絶えないように蒸発した水を元にもどしたなら、堤防設営の援助しようと約束した。間もなく堤防は接岸し猿の軍隊はアルンコ目指して渡り始めた。 途中ロモ軍はアルンコのラクササ、アグスロボ、ラヒボヨ、ユユルムプンそしてラヒレボトの妨害を受けた。彼らは猿の軍隊が混乱するほどの攻撃をした。 ラウォノの遣わしたラクササたちはカピ・ヤスボロ、カピ・ルコトそしてカピ・メンドの名を持つ猿の兵によって殺された。その時堤防はアルンコ兵の妨害により非常に不安な状態にあった。そのときアノマンは堤防を越える軍をひじょうに心配し、かくてアノマンはトリウィクロモし、その身体は巨大になり、猿の軍隊はアルンコの岸へ運ばれた。そしてスウェロギリに陣営が築かれた。 その間ラウォノは詐術を労して、シントにロモとラクスマナがすでに死んだと信じ込ませるために、彼に征服された二人の王、トリコロとコロスクティの頭を切り落とした。 切り落とされた二人のクサトリアの頭を見たシントはひじょうに悲しんだ。とはいえ、信義の人、デウィ・トリジョトはこれに疑念を抱き、真偽を探ろうとしてスウェロギリへ行きアノマンに出会った。トリジョトはロモとラクスマナが無事であるのを確認した。そういうわけで彼女はシントを安心させることができた。 サルポクノコもまたこの調査に参加し、彼女はアンギスロノをスウェロギリに派遣した。騒動を起こさせるために猿となって紛れ込んだ。この動向はアノマンに気づかれた。そしてアンギスロノは捕らえられ、その耳が切り落とされ、命乞いをしたのでアルンコへ戻された。 アルンコに到着して後、サルポクノコはその使者の傷を見て、大いに怒った。彼女は一人アノマンに立ち向かい、ついにはアノマンに殺された。 このラコンはラコン・パクムに入れられ、非常にポピュラーで、いくつかの地域でセノ・ワンギによって何回か上演されている。 |
![]() |