9.Dewabrata Rabi (Dewabrata Kawin)
 デウォブロトの結婚

 このラコンはラコン・バクに属し、スンタヌとドゥルガンディニの結婚で産まれた二人の王子、チトロゴドとチトロセノのことが語られる。
 一方ギャンティプロ王国のプラブ・ダルモムコは三人の娘のためのサユムボロ(婿選びの儀)を催した。二人の息子、ワフムコとアリムコを負かす事が出来た者は誰あろうと三人の娘を娶る事ができるのだ。多くの王や王子が(サユムボロに)臨んだが、一人としてワフムコとアリムコを負かす事はできなかった。
 アスティノのセノパティ(総司令)デウォブロトが試合場に向った。彼は義理の弟たち、ウィチトロウィルヨとチトロセノの伴侶を得るためにサユムボロに臨んだ。
 最初デウォブロトは二人の敵に敵わなかった。というのも、仮にワフムコを殺し得ても、アリムコがすぐさま兄弟の死骸を飛び越え、ワフムコは生き返る。逆にもしアリムコが死ねば、ワフムコがその死骸を飛び越え、生き返る。
 それが繰り返されるのだ。
 スマルの助言で、デウォブロトはその手をアプapu、しょうずくの粉で汚し再び闘技場へ向った。今や二人の敵は平手打ち一つで死んだ。
 こうしてデウォブロトは三人の娘を貰う資格を得た。デウィ・アムビキとアムバヒニは小箱の中に入れられた。一方アムビコは両親のもとへ戻る事を命じられた。しかしデウィ・オムボは拒否した。彼女はデウォブロトの妻になる資格をもっていると感じていた。というのもデウォブロトはアリムコとワフムコを倒したのだから。彼は取り合わず、そして説明した。デウォブロトは、生涯結婚しないとの誓いをたてたブラフマチャリア(brahmacarya=将来僧侶になる予定の修行者)である、と。
 デウィ・オムボが諦めようとしないのでデウォブロトは矢で脅した。誤って矢は放たれ、デウィ・オムボの胸を貫いた。デウィ・オムボは告げた。彼女はデウォブロトと共にでなければ天界に入ることはない。後の日の大戦争バラタユダにおいて、オムボはデウォブロトを迎えに来るであろう、と。
 この事件でデウォブロトは、過ちでアムビコを殺害した罪をあがなうために苦行に励んだ。このラコンはひじょうに著名だが、上演は稀である。

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