ウィロトのプラブ・バスムルティはある日パティ・ジャティコンド、アルヨ・カンドコそしてルシ・ウィキスウォロに、聖王が森へ狩りに行くと告げた。ジャティコンドとバスクスティ、バスノンドそしてブラフマナ・ケストゥは森で準備を整えた。狩りの前にプラブ・バスムルティはマンデゥキの森で宴を催し、その森周辺の民に贈り物を与えた。しかし、その中にジャノロコという名の者がいて、彼はスリプタ(訳注:sriputa=Sri
Putatか?)の樹の守役である故、王からの贈り物は受け取れないと断った。王の弟、バスクスティはその神聖な樹を切り倒した。すると輝く光が出てバスクスティの身体に取り憑いた。ジャノロコはバスクスティに拝跪し、まもなく聖パンゲラン(高貴な者の尊称)は王となるでしょうと語った。 まもなくバスクスティはプラブ・バスムルティの妃デウィ・ジャティスワリから、聖王が大病を患ったとの知らせを受けた。すぐさま聖パンゲランは兄を訪ねたが、兄は既に王宮で逝去した後だった。かくてバスクスティは即位して王となり、ジャノロコの予言は真実となった。 即位して後、聖王は戦いその他の中で用いるためのガムラン楽器を作らせた。グルナン(gurnang)、タン・トン・グリ(thang-thong grit)、パクスル(paksur)、テテ(teteg)、クンダン(kendang)、ブンデ(bendhe)、ゴング(gong)、そしてブリ(beri)である。ある日パティ・ジャティコンドはブラフマナ・ドゥトとブラフマナ・ケストゥが行方不明となり、彼らの家から輝くジャムルディポJamurdipaのきのこが生えてきたという報告を受けた。プラブ・バスクスティがこれを見ると、不思議にもその家から輝くジャムルディポの光はバスクスティの頭上にまで届いていた。 このラコンはラコン・パクムに属し、上演は稀である。 |
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