このラコン・パクムはポピュラーではないので、上演は稀である。この物語はマエスパティ王国から始まる。プラブ・カルトウィルヨまたの名をパルトウィルヨは妃のデウィ・ダヌワティが既に妊娠して七ヶ月になったので、従兄弟のバンバン・スウォンドグニを入浴の儀式に招いた。 儀式が終わると同時に、ロコポロ王国の使者、ゴムコの名を持つ者が到着した。彼は、プラブ・ウィスロウォノまたの名をドノロジョの妃となるためにロコポロへ随行されるよう、との勧告をもたらした。 その要求を聞いたスウォンドグニは怒り、ゴムコを叱責し、かくて彼(ゴムコ)は国へ逃げ帰った。その仕事を失敗したとの報告を受けて後、プラブ・ドノロジョはマエスパティ国攻撃の軍を用意した。彼はまたブラフマンの超能力を持つラクササ、ブガワン・ウィスンコロの名を持つ者に援助を求めた。 その間、カヤンガン(天界)では、バトロ・ウィスヌがバトロ・グルによって、地上の安寧を保持するために降下することを命ぜられていた。バトロ・ウィスヌは聖なる武器チョクロをかざし、かくてデウィ・ダヌワティの妊娠する胎児に入った。しばらくして、デウィ・ダヌワティは一人の男児を産み、その子はプラブ・カルトウィルヨによってアルジュノウィジョヨ、またの名をアルジュノサスロバフと名付けられた。不思議なことにその赤子は聖なる武器チョクロを持って生まれた。 間もなくプラブ・ドノロジョに率いられたロコポロ国の軍がマエスパティ国境の湖に到着した。プラブ・カルトウィルヨはスウォンドグニと共に敵を防ぐ為に出立した。生まれたばかりの赤子が持っていたスンジョト・チョクロが戦場に運ばれた。 ブガワン・ウィスヌンコロとスウォンドグニの一騎打ちとなり、熾烈を極めた。プラブ・カルトウィルヨはかくてスウォンドグニにスンジョト・チョクロを借り受けた。この武器にブガワン・ウィスヌンコロは為す術無かった。その身体はスンジョト・チョクロに当てられ粉々に砕かれた。 チョクロを武器に持つプラブ・カルトウィルヨに対峙したプラブ・ドノロジョは、その時失神した。プラブ・ドノロジョは正気に返ったが、天界よりの超能力の武器に相対していた。かくて彼はロコポロ国へ逃げ帰った。 |
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